LiDARとのインテグレーションが可能なマッピングソリューションが誕生OxTS-Georeferencer
OxTS-Georeferencerとは?
INSの軌跡データとLiDARデータを組み合わせた点群データを作成できるソフトウェアです。LiDARを用いたマッピングをする際に便利なソフトです。
LiDARで作成したファイル、OxTS社製のINSから作成された航法軌跡ファイル、およびその他設定ファイルを取り込み、サードパーティ製LiDARソフトウェアパッケージで閲覧できるLAS形式の点群データを作成します。
このソフトには以下2つの機能があります。
1. Georeferencing
2. Boresight calibration
1. Georeferencing(ジオリファレンシング)
INSで計測した情報とLiDARの点群データを同期し、統合させることができる機能です。
LiDARはターゲットとの距離を測定に特化している機器のため、その情報がいつ、どこで計測された情報か単独では計測できません。
そこでOxTS社製のINSが正確な時間情報、位置情報、向き(ロール、ヘディング、ピッチ)の情報をLiDARデータに補完することができます。
2. Boresight calibration(ボアサイトキャリブレーション)
LiDARとINSの座標軸を合わせこむ機能で、INSとLiDARのインテグレーションに不可欠な要素です。
ボアサイトのずれの原因は主にINSとLiDARとの角度がずれによるものです。小さなずれでも、大きな歪みやターゲットが二重に見える原因になります。
例えば10m離れた位置を測定する時、以下の数式のようにわずか0.2°のずれが生み出す誤差は約7cmになります。
また、下図のようにBoresight calibrationを実行することにより、信頼性の高い明瞭なデータを作成できます。
3. PTP機能の実装
PTP (Precision Time Protocol) とは、 IEEE 1588 で定義された、LANで接続された複数のデバイスの時刻同期するためのプロトコルです。
PTP機能により他のPTP対応機器の時刻をOxTS製品の時刻に同期させることができる新機能です。(OxTS製品がマスター機器、接続された機器はスレーブになります。)
OxTS製品はIEEE 1588-2008(PTP version2)のみに対応しており、IEEE 1588-2002(PTP version1)には対応しておりません。
OxTS製品は、非常に正確な原子時計を使用するGNSS衛星から時間を取得します。
LANで接続されたネットワーク内のすべてのデータをOxTS製品の時間軸で測定することが可能になります。
接続はPTP対応機器をイーサーネット接続するだけです。
シンプルな接続でタイムドリフトを防ぐことができるので作業効率が改善します。
例えばLiDARを用いた測量の現場では、時間のズレが悪影響を及ぼし、物体の認識が困難になり、ぼやけたり、二重に見えたりすることがあります。
自動車テストではデータ内のイベントがずれてしまい、分析が難しくなったり、効率が悪くなったりすることがあります。
OxTS製品のPTP機能を用いれば、ネットワーク内のすべての時刻を1つのソース(INS)に同期させることで、タイムドリフトがなくなり、よりクリアで簡潔なデータが得られ、テストデータの明瞭性が向上し、セットアップおよび分析の効率化が狙えます。
LiDARとのインテグレーションが可能なINSデバイス
サポートされているLiDARデバイス
(2021年9月現在)
・ VLP-16
・ Hesai
・ Ouster
・ Z+F
※今後のソフトウェアアップデートでインテグレーションできるLiDARが増える予定です。
参考
・ジオリファレンス(Georeference)
位置情報を持っていないデータに位置情報を与えること。